Int:待宵のプラハ - HIMEHINA
プラハの記憶は断片的だ
いつどのようにして
辿り着いたのかも定かではない
大切な何かを
無理やり引きちぎるような
そんな感覚だけを今でも
身体が覚えている事は確かだ
プラハの街は好きだ
露店でマリオネットをしている
おじさんはいつも笑顔をくれるし
ダンプリングは美味しいし
真っ青な空も
橙色の屋根の街並みも
心を元気にしてくれる
でも なんでだろう
うまく笑えないんだ
思い切り大声で笑えないんだ
とても大切な何かが
心に刺さったままなんだ
ダメだな
夜になると気持ちが弱くなる
そうだ カレル橋にいこう
今日は満月だし 誰かが楽器を
演奏しているかもしれない
マドンナリリィの唄が
歌いたいなぁ
裏口から静かに出なくちゃ