誰何記号群 - またろう
曲:みっつん
見上げれば夕立を
降らすつもりかいつまでも
ただ気付けば忘れてる
あの熱い色と輪郭を
真夜中の待合室に
溜まる息は紫色
誰かが立つ窓の外
暗く淀む茜色して
そこに浮かんでた顔は
鼻や瞳がないけど
歪んでる唇だけが
少し笑って見える
あれが瞬くのは誰を導くためだ
何故回り続けて零を重ねる
君に捉えられる時間が
まだあるなら
迷い路消えない火
「H」の魔物
誰何記号群
繰り返す夕立の
隙間からやっと息をして
透明な膜の中で
今も鳴いているカナリアが
ねじ巻き式のアナログな
時計の針飲み込んでる
悲鳴と退屈だけで
埋まるメモリならへし折ろう
終わらない旅路に
仮想的終点を建てて
幸福と名を付ける人を見て
君は笑った
きっと瞬くあれを見て
見えてるほうが
もう手遅れなんだと気づいたから
新しい列車が走る予定の道を
蹴散らし飛び込んだ
君の居る場所
誰何記号群
もうすぐ桜が咲いて
いつか春と呼んだ季節になる
未だに天蓋は動かないまま
時も場所も同じ数のまま
そこがどこで
誰が何で今があるのか
鉛筆の折れそうな
鋭角で描く伝説の童話
君が輝くのはその先にあるものが
蜃気楼さえ現実的なほど
誰が何だと
分かるはずないものだから
秘かに飛び込んだ君の居る場所
誰何記号群